Cayの趣味の日記

まずは人狼ゲームの戦法とか感想とか

アルティメット人狼6第2部第2戦の考察

幻惑の霊媒師プレイ

 

アルティメット人狼6第2部第2戦のイシイジロウさんのプレイほど多くの人狼ファンを惑わせたものはないのではないだろうか。私はこのゲームについて、これまでいくつかのレビューを見てきたが多くはイシイさんのプレイについて幻惑された印象を持った人が多かったようだ。

イシイさんが目指していたものは私にはわかるような気がする。それは慎重に考え抜かれた霊媒師戦術だ。今は理解することが難しいかもしれないが、将来、イシイさんの採った戦術が形を変えて多くのプレイヤーに試みられ、メジャーなものになるかもしれない。

イシイさんの採った霊媒師戦術はずばり、潜伏プラス狂人乗っ取りの複合戦術だ。それは人狼の個人技の最高難易度の1つと言ってもよいと思う。しかし、それは残念ながら成功したとは言えず、かつ、あまり理解されることはないようだが。

 

 

 

ゲームの概要

アルティメット人狼6第2部第2戦の初日は一斉同時COの変形作戦から始まった。これは狼陣営を後から騙りにくくさせる作戦であり、実際にこの同時COにおいて狼陣営にはCOがバッティングするトラブルが生じた。一般的にこのような作戦を採った場合、真役職者は作戦の意図を汲んでCOすることにより真を取りに行くことが王道と思うが、イシイはおそらく事前に決めていたのだろう、COせず潜伏の道を選んだ。結果として占い2CO霊媒1COの進行となった。

2日目、騎士の護衛が成功し、襲撃により死んだ者はいなかった。このことは狼が役職者、おそらく1人だけの霊媒師を襲撃したことが推察される。イシイはこの結果を受けて2日目も潜伏することと決したのだろう。しかし、真霊媒師が潜伏していることは対抗霊媒師には明白だ。2日目の投票時に対抗霊媒師のデイジーはなんと狂人COという奇策に出た。これは逆に今後、潜伏していた霊媒師がCOするという予言でもあった。

イシイが霊媒COしたのは、その次の日、3日目の冒頭だった。狂人CO虚しく、狂人霊媒師のデイジーは襲撃死していた。

COした狂人の予言通りに新たな霊媒師が現れてきたため、図らずもイシイはうまく真目を取れた。しかしそれは必ずしも積極的なものではなく、対抗が自身を狂人だと言い残して死んでいったという消去法によるものだろう。実際に投票時にイシイに投票したものはおらず、騙り占い師のダンカンが処刑された。

4日目、今度はイシイが奇策に出た。狼占い師のダンカンの霊媒結果に白を打つという結果騙りに出たのだ。しかもそれを撤回すること無く議論を続け、制限時間の直前にようやく撤回した。

 

 

 

イシイさんのプレイの考察

イシイさんの4日目の奇妙な行動は、狂人を乗っ取ろうとした試みだ。つまり、狼目線、狂人の位置を取ることにより、狼の行動を見極めようとしただけではなく、自身を延命し、あわよくばパワープレイ返しを仕掛けようとしたプレイだ。しかし、今回の場合はそれが成功したとは言えない。

狂人乗っ取りが成功しなかった理由の1つは、対抗霊媒師デイジーの狂人COだ。真霊媒師が潜伏していることは対抗霊媒師でしか知り得ない情報であるため、図らずもイシイの真目が上がってしまっており、狼が素直に狂人騙りのイシイに乗ってこなかった。

狂人乗っ取りが功を奏する条件は村陣営がパワープレイの危機に立たされている場合であるが、今回の状況では狼が1匹すでに吊れており、さらに真占い師がもう1人の狼を見つけているため、村陣営としては非常に有利な状況にあった。したがって、真霊媒師としては狂人の位置を乗っ取るのではなく、真霊媒師の位置を確保して狼を吊りに行くことが正しい行動と言える。イシイさんは4日目の最後に修正し、その後は真を取る行動に徹して村陣営の勝利に貢献した。

 

イシイさんにとって不利な状況であったのは、占い師の霊媒結果騙りに出てしまったため、イシイ=真霊媒師である実際のラインとイシイ=狂人霊媒師である逆のラインをイシイさんの中で追わなければならなくなってしまい、整合性が取れた発言が難しくなってしまったことだ。

イシイさんは実際には白打ちしたダンカンを狂人置きしたかったのだろう。2つのラインを統合させるために。しかし、霊媒のデイジーが襲撃死してしまっていたため、「狂人霊媒師」のイシイとしてはダンカンは狂人ではなく真占い師でしかありえなくなってしまった。

もし、デイジーが襲撃死ではなく、吊られて死亡し、その霊媒結果に黒出ししていれば、イシイさんの占い師の霊媒結果騙りは成功していたはずである。